ベイスターズ
- 田仲哲也
- 2016年9月29日
- 読了時間: 4分
セリーグは25年ぶりに広島東洋カープが優勝。
パリーグは最大11.5ゲーム差をひっくり返し北海道日本ハムファイターズが優勝。
今年のプロ野球も中々に面白かった。
ただその中でもいま一番面白い球団がある。
セリーグ3位の横浜DeNAベイスターズだ。
そもそも日本のプロ野球球団は12球団しかなくてそれが2リーグに分かれてるから6球団で順位を争っている。なのでそんなに少ないと、めっちゃ強い時期が続く時もあればどん底をズルズル彷徨っている時期もある。ベイスターズはここ8年間めちゃくちゃ弱かった。ほんともう弱かった。
ベイスターズのことが気になり始めたのは3年前ぐらいだと思う。プロ野球自体は好きだから大学生になったからも晩御飯食べながら見てたりしてた。でもまあ、住んでるところが大阪だからサンテレビの阪神タイガースの中継ばっかりだった。んで、たまにタイガース対ベイスターズの時があったんだけどまーーー弱い。めっちゃ負ける。それでも球場には少ながらずベイスタースのファンが応援しているのが中継には映ってるんだ。弱い球団を応援してる人たちって何が楽しいんだろって思ってた。
2012年に監督が中畑清さんに代わった。この人は底抜けに明るく「絶好調、中畑清です!」のセリフで有名な往年の読売ジャイアンツのスター選手だ。とにかく明るい。試合に負けたって明るい。常に前を向いている。それまでのベイスターズは傍目から見ても明らかに悪い空気が漂っていて上がり目が全くないと言ってもおかしくないような球団だった。でもこの人が監督になってから空気がすこーしづつ変わっていった。負けて当たり前が染み付いた球団を本気で変えようと選手一人一人に熱意を伝えていく姿に感動させられた。
それと同時にというかもとより中畑監督が就任したのはベイスターズの親会社がTBSからDeNAに変わったことに由来する。DeNAと言ったら何の会社か分かりにくいかもしれないけど、聞きなれた別の名前がある。「モバゲー」だ。そしてDeNAは中畑清をベイスターズ再建の広告塔として抜擢したのだ。
DeNAはモバイル向けポータルサイトの企画・運営等をなどが主な会社だけあって球団の売り出し方が上手かった。地上波で中々試合が放送されないのでニコニコ動画で横浜主催試合を中継したり、特定の選手にスポットを当てたショートムビー(「ダグアウトの向こう側」というシリーズです。)などを公開してファンとの距離を縮めていった。様々な経営戦略と集客努力のかいあって少し前まではガラガラだった横浜スタジアムも今は稼働率80%を超え、チケット完売の日も少なくない。圧倒的にファンが増えた。おれもその一人だ。
ただ、中畑監督が2012年に就任してからの4年間は6位5位5位6位と力及ばなかった。そんな球団になぜみんな夢を見るのか。実際中畑監督最終年の2015年は中畑政権の集大成とも言える戦いぶりで前半戦を首位で折り返したのだ。しかし、終わってみれば結果は6位。うまくいかねえなぁ。でも、今までの何の希望のかけらもない最下位ではなく、なんかすげー頑張って頑張って勝てそうなんだけどそれでも上手くいかなくてあーーーーーーーがんばれっ!って感じの最下位だった。ファンはそんなベイスターズの姿を自分たちの生活に重ねていたんじゃないかなあと思う。頑張っても上手くいかないことばっかでなんだかなあって思ってる自分たちと同じようなベイスターズを見てなんだか一緒に戦ってるような気持ちになった。ベイスターズが頑張ってるのを見ておれもがんばろー!って思えた。足掻いても足掻いても進まなくて良いところで失敗しちゃうところに凄い人間らしさを感じた。球団に。
中畑監督の任期は2012年から2015年までの4年で今年2016年からはアレックス・ラミレス監督がチームを率いている。そしてチームは3位でペナントレースを終えようとしている。
近年のベイスターズからすれば快挙だ。3位で快挙なんて大袈裟なんて思うかもしれないけどこれはほんとにほんとに凄いことだ。とうとう泥沼から抜け出したんだ。なんだか自分も報われた気持ちになる。
まだまだ成長してる途中、一緒に応援しませんか?

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