おばあ図鑑 vol.1
- 田仲哲也
- 2016年6月7日
- 読了時間: 1分
富山の銭湯で出逢ったばばあが頭から離れない。
男湯ののれんをくぐるとそこにはばばあが。
川端康成の「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」に引けを取らないぐらいのれんをくぐるとそこはばばあであった。
料金を聞いても返事はない。
1mmしか開かれていないその瞳には何が映っているのか。てか開いているのか。
半開きのその口から料金はいつ発せられるのか。
長い沈黙を破りばばあは言った。
「よんひゃくぇん。」
聞こえているならすぐ返事してくれよと。
中はものすっごい熱い風呂とものすっごい冷たい水風呂。
常連っぽいスキンヘッド。
この世に自分しかいないかのように「ん`ん`あぁぁああーーー」って言いながら水風呂で明らかに運動してるじじい。
銭湯怖い。
そそくさと湯船から上がり扉をあけるとそこにはばばあが。
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